『アニマル横町』

第34話 「どき☆どき 夜の動物園 の巻」 / 「どき☆どき イヨVSイヨ の巻」
今更ながら先週放送分の感想書きます(←怠慢)。
Aパートを視聴して、なんというか、久々に『アニ横』を見たなという感じでした。
「もはや『アニ横』ではない」と宣いたくなるような印象が延々続いてまして、遵守すべきキャラクターたちも、とうの昔に惨殺されて崩壊し、何を描きたいのかというコンセプトや哲学もないまま、「単なる子供向けアニメだからいーんじゃね?」みたいなナメた態度がシナリオから横溢するだけのクソアニメに成り下がってたと(個人的に)思ってましたから。
そんな中、『アニ横』というシチュエーションコメディに欠くべからざるキャラクターの遵守を前提とした上で、テンポの良いギャグと不条理を内包して、アニ横世界とあみのいる世界を繋ぐファンタジーを提示した横谷昌宏氏の今回の脚本は、異彩を放ってました。
今回の場合、「特筆」すべきはアニ横住民を現実の動物と対比させたことによるキャラクターの特殊性と普遍性を描いたこと、そして動物園というシチュエーションにキャラクターのギャグを従属させたことの2点によるものだと思います。
ま、イヨは正直微妙でしたが(笑)、ケンタのクマとのツッコミのテンドンギャグあたりには大分溜飲が下がりました。
どうも他の方々の脚本だと、各々が何を書きたいかという欲求が先行し、その思考にキャラクターを従属させるという愚にも付かない方法でシナリオを作成しているように感じます。
一方、横谷脚本の場合はそのような主客の転倒を当然のように忌避し、キャラクターにテーマを従属させるという最も基本的な『アニ横』文法を踏襲しているように感じられます。
不条理ギャグアニメという「何でもあり」な自由の大海原が広がる本アニメシリーズにおいて、真摯に作品と向き合い、何をどう書き、いかに視聴者を笑わせ、楽しませ、考えさせるかということに腐心している様を感じられた脚本は、春期改編後、正直今回が初めて。



あかん、誉めすぎた。


とにかく今回の脚本を白眉だと感じてしまうくらい、とにかくそれくらい今までの脚本には失望を感じていたもので。別に今回の脚本が格別良かったわけではないです。改編前の園田英樹氏の脚本の方が好きですし。
ま、笑えるかどうかはともかく(笑)。