2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『十二世紀のアニメーション』

十二世紀のアニメーション―国宝絵巻物に見る映画的・アニメ的なるもの作者: 高畑勲出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 1999/03/01メディア: 大型本購入: 5人 クリック: 41回この商品を含むブログ (15件) を見るそういえば本について感想を書くのは初めてです…

『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984)

何故今の今までこの映画を観てこなかったのかが悔やまれると同時に、「今」初めて観たことによる時空を超えた映画的体験の邂逅という僥倖に、私は立ち会った。 後悔も幸運も、実のところ根は同じで、映画的体験が時空を超えること。つまり、「時をかける」こ…

『タッチ』(2005)

<青春は原色だ!!> 初犬童一心。 とはいえ、プログラムピクチャー&金曜ロードショーなので、その枷は踏まえて観た。 しかし如何せん前半のリズムがガタガタ。長澤まさみの靴下シーンがアップで画面に映った瞬間、「ああもうこりゃダメだな」という寂寞感…

『ギブリーズ episode2』(2002)

なるほど。百瀬義行氏は高畑勲の衣鉢を継いだ存在なのだなあ。 ただ、志向するものは同じなのだが、違う頂を目指しているような気がしなくもない。勿論、思想的な相違ではなく。 まあ、それはともかく、作品の感想をば。といっても一点だけ。 それというのも…

ツンデレ覚え書き

唐突にツンデレについて語ってみる。 といっても、ツンデレという概念そのものや定義について語る気はないので悪しからず。ただの独り言です。 私は一般にツンデレと称されている人格的側面を嫌ってはいない。 だが、巷に溢れるツンデレキャラは総じて嫌いで…

『X 劇場版』(1996)

勿論、呪術的な陣などを用いているせいもあるだろうが、冒頭から徹底的に強調され続けるシンメトリー。 波紋、水晶、鳥居、五芒星、正四面体や円柱や球などといった結界の形、十字架など、例を挙げればキリがない。あの異様に目鼻立ちが強調された人物の顔も…

『デジモンアドベンチャー』におけるうんこの弛緩と意義

完全に遅刻してきた者としては、もう既に語り尽くされている本作に対して付け加えることなど最早何もないような気がしないでもないのだが、それでも尚、興奮させずにおかない本作の魅力に触れてしまった者としては視聴した「証」として何事かを述べたくなる…

『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』(2000)

やっと見た!! 細田デジモン第2弾。 全くもって、呆れますなコレは。この計算ずくの画面構成には、最早心地よささえ感じる。 多層的に織りなされるサスペンスやギャグ、友情や闘い、更にはメロドラマなども加えて、わずか40分足らずの中に全て凝縮してそ…

『デジモンアドベンチャー』(1999)

やっと見た!! 細田デジモン第1弾。 FIXはやっぱ画面が締まりますね。最近キャメラ振り回す映画ばっかり見ていたもんだから、T.UやT.Bさえ抑制している本作は改めて新鮮に映る。 とかいいつつもっかい見てからちゃんとした感想を書きます。

『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』(1993)

軽く度肝を抜かれました。これが岩井俊二か。 プールサイドで横になって片足だけプールに浸けている奥菜恵がエロすぎる。水面に反射する陽光と物憂げに横たわる奥菜恵の脚部が織りなすフェティシズムを超えた美しさが、文字通りの瑞々しさで迫る。胸元のアリ…

ぐはっ、シネマヴェーラで今日まで上映してた『くもとちゅうりっぷ』見に行こうと思ってたのに忘れたorz せめて明日の『桃太郎 海の神兵』だけは見に行かねば。 ということで忘れた原因たちを列挙。

『風の谷のナウシカ』(1984)

ただ、涙だけが零れる。 一般的に、愛では「地球」(=人間)を救えない。 しかし、ナウシカの愛は様々に蹂躙されながらも、風の谷を救い、その愛ゆえに命を救われる。 本作のシナリオは、人間同士の争い、力を求める業、人と自然の共生などといったものにつ…

『勝手にしやがれ』(1959)

ヌーヴェル・ヴァーグらしい軽快なキャメラの移動撮影による長回しとそれと比するかのように散見されるゴダール特有のジャンプカット、そして画面に映えるジーン・セバーグの瑞々しさとジャン=ポール・ベルモンド(=ゴダール)の絶望的な孤独!! 改めて思…

A Bout de Souffle

ここ数日間連日更新してきて、漠然と「ああ俺、今映画を「消費」している気がする」という思いが沸々と湧き上がってきていて、こりゃいかんなあという内省に近い不快感をもっていたもののどうこうすることができるわけでもないのだが、ただ昨晩は何ともなし…

『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004)

原作未読。っていうか読んでたまるか。 素人の私にさえ手に取るように次に吐くセリフが分かってしまう何とも言えない物語などには最初から期待などしておらず、行定勲3本目(正確には4本目だが『GO』は記憶にないのでノーカウント)の映画に、ただ瞳を凝らす…

『花とアリス』(2004)

初岩井俊二。 面白いんだけど長すぎる!! 序盤は切り返しなども含めてカット数が比較的多く、ズバズバとしたカット割りで素晴らしくテンポの良いリズムで進んでいったものの、ストーリー的にも後半は伏線を回収したりしているためにじっとりとした画造りに…

『メトロポリス』(2001)

鉄は熱いうちに打てということで。初りんたろう。 見ていてゾクゾクした。こんな感覚は初めて。 私なりの印象を一言で言えば、「過剰を蕩尽する作家」、それがりんたろう監督。 過剰なまでに描き込まれている「メトロポリス」という世界は蕩尽されるために存…

BSアニメ夜話『千年女優』

物語の構造と解釈について枠55分のほとんどを使って語っちゃってて「あちゃー」という感じ。私個人としては物語なんて嘘でも真実でもどっちでもいいやという感じでありのままを受け入れて見てたので、何だか些末な問題に拘ってるなあという印象。そもそも本…

『プリンス&プリンセス』(1999)

6つの「お話」は、真面目に見ていると教訓めいた説話ばかりでうんざり(笑)。 劇中劇なので解釈はそれこそ無数に可能だが単純に面白かった。ちとつまんない解釈でも垂れてみます。 まず面白いのが六角形で形作られた劇のフレームがあり、三角形で形作られ…

ヴェンダース作品について書こうと思っていたのだが後回し。

『アニマル横町』

第42話 「どき☆どき アニ横のウラ側の巻 / どき☆どき イッサの初恋!?の巻」 なるほど。劇中劇ならキャラクターの改変にも違和感はないし、(私の中で)正当化できます。それゆえAパートは普通に面白かった。竹内利光氏のホンも上手い。そうか、アニメは原…

『ピンポン』(2002)

ビビった。正直TVアニメなんて見てる場合じゃないと本気で思った。 抜群のリズムで切れまくるカットにCGも含めた驚異のキャメラワーク! 「そりゃ狙いすぎだろ」と思った冒頭の水面主観から一気に飛翔して俯瞰に変わるCGによるショットが、実はこの物語を象…

『風人物語』

まあ、何だかんだいって、この作品だけは毎週欠かさず楽しみに見ているのです。 飛び飛びですが、寸感メモ抜粋。 第4話 「どんぐりはムササビ」 繋ぎが乱暴だなあ。呑気に観てたら時間経過が分からなくなりそうになったし。 とはいえ、ムササビというモティ…

『時をかける少女』(2006)

ギリギリセーフ(笑)。 やっと観ました。地元では公開が今週金曜までという切ない告知が出ていたので。 そのうえ上映が朝イチ一回きりという酷な扱い。夏休みに早起きは辛いのか、おかげでお客さんはそんなに多くはありませんでした。 それでもお客の多くは…