『勝手にしやがれ』(1959)

ヌーヴェル・ヴァーグらしい軽快なキャメラの移動撮影による長回しとそれと比するかのように散見されるゴダール特有のジャンプカット、そして画面に映えるジーン・セバーグの瑞々しさとジャン＝ポール・ベルモンド（＝ゴダール）の絶望的な孤独！！
改めて思ったが、本作はやはり最もヌーヴェル・ヴァーグらしい作品のひとつだという気がする。元々は、どうしようもなく映画を愛していた男、トリュフォーが映画化しようとしていたシノプシスであるためか、アメリカ映画へのオマージュを含めてそこはかとなく「主観的」だが、それが逆にゴダールの「主観的」な魅力を引き出している気がしなくもない。
それでも今回は、映画に愛されている男、ジャン＝リュック・ゴダールによるぶっきらぼうなカットのリズムに、ただただ陶酔。
今回見るまで全然気付いてなかったが、これゴダール自身がカメオ出演してるのね。っていうかジャン＝ピエール・メルヴィルまで！！