2006-01-01から1年間の記事一覧

『フラガール』

なんで開始5分でクソ映画だと思って見ていたのにぽろぽろと涙が出てくるんだろうか。まあ私はベタに弱いので理由は判然としてるんですが。 松雪泰子の大根芝居も泣かせるためだけの見え見えの構成や眠たい予定調和的展開も、もういい加減にしてくれと、幾度…

『UDON』

友人に「こんなのTVドラマじゃん。TVで見ればいいでしょ」と言われて、「ああやっぱりそう思うよね」とあっさりと引き下がった劇場公開当時。 訳あって今更ながら見る機会を得た。 基本的にこにたんのナレーションベースで物語が展開していくからか、うどん…

『アニメージュ』2007年1月号

<この人に話を聞きたい 水島努>このページを見てくださっている方はきっと興味があると思うので老婆心ながら紹介しますが(というか既にご存じかとは思いますが)、ちょっとだけ山本さんと武本さんについての話題が出てます。私はこの辺りの記事を読みなが…

『クレヨンしんちゃん』

TV版傑作選⑥「母ちゃんと格闘だゾ」 最近、アニメといえばシンエイ動画作品ばっかりだらだらと見てます(感想はなんとなく公開してないけど)。 『あたしンち』レトロスペクティヴ(主に山本さん演出回)は粗方完了したので、今後は『クレしん』レトロスペク…

ちなみに

私は誠実に作品と向き合うことしか出来ないはずだったので、前エントリは全文カット致しましたので悪しからず。 無かったことにするためというより、相応しくなかったと思い直したので。

『ゲッタウェイ』(1973)

初ペキンパー。 冒頭の鋭利なカッティングの膨大な積み重ねには度肝を抜かれた。 彼の映画は暴力的だと称されているらしいが(よく知らんけど)、内容が暴力的というよりもむしろこのつなぎの暴力性の方が、遥かに「ペキンパー」なのだろうと思った(1本しか…

『二十歳の恋』(「アントワーヌとコレット」)(1962)

トリュフォーの描く恋は、いつも女ではなく映画に向けられているようにも見える。 女が映画であって、女を追うアントワーヌ・ドワネル(=トリュフォー)は女に逃げられるのと同時に、映画に逃げられる。女の数だけ映画があって、ドワネルは映画(女)を他の…

『あこがれ』(1957)

恥ずかしくなるくらいトリュフォー。さすが。 トリュフォーの眼差しが何に向いているのかが、たった17分の短編の中で如実に顕れる。 自転車をフォローで映し続けるキャメラの軽快さに、これからおとずれる躍動の息吹を感じる一方で、正面ショットによる古典…

『西遊記』(1960)

やはり目立つのは手塚治虫のアイディア。 女(ホントは悟空)の気を引こうと一張羅を着替えまくる八戒や京劇みたいな動きをする金角銀角、小竜の角がアンテナになって電話をしたり、ラストで牛魔王が闘牛になるシーンなど、突飛で面白い。 様々な場面で出て…

『少年猿飛佐助』(1959)

王道の冒険活劇。しかしベタであるが故に実に力強い。 更に、個性の際だったキャラクターたちが生き生きと躍動する。コミカルな動物たちの動きや、おけいちゃんに手玉に取られるばったの三次とおけらの金太のコンビのとぼけた描写もおかしい。主役級のキャラ…

『白蛇伝』(1958)

『白蛇伝』はやはり「つまらない」。 のんべんだらりと進行する予定調和的なメロドラマと分かりやすすぎる作劇上の起承転結は、今日的な「ドラマ」に狎れさせられている我々にとって退屈に感じる。古典を題材にしているというハンデを負っているとはいえ、画…

『戀戀風塵』(1987)

初侯孝賢。 尋常ならざるファーストショットから一気に引き込まれる。美しい。 ストイックに主観ショットを排し、被写体との距離を置く。電車主観を除けば、主観ショットは一度だけ。看病に来たアフンを「見つめる」アワンの主観ショットだけが擬似的な視線…

『あたしンち』

第25回 「ベア研の文化祭(前編)(後編)」 見ながらいつの間にか寝入ってしまった(笑)同巻収録の他話数と違って、まったく予断を許さないスリリングさ。 レイアウト、光源、アングル、カットのテンポや音楽の使い方など、あまりにも他の話数と違うので、…

祝 山本寛初監督記念!

嘘です。完全に後付け。そもそも、遅すぎ。

アニメスタイルイベントに行ってきた

原恵一氏のお話を聞くために新宿へ。 ということで夜の部はスルー(アニメ様ゴメンナサイ)。 通路席で仏頂面していたのが私ですがどうでもいいですかそうですか。 年代的に『エスパー魔美』はリアルタイムで視聴しておらず、再放送か何かでかすかに見た記憶…

『あさっての方向。』

第1話 「願い石」 <ゼロから始められると思ったから> とにかく冒頭から移動をし続ける被写体。 電車、自転車、歩くこと、走ること、逃げること。冒頭から強調され続けた移動というメッセージがラストシーンの雲の移動、からだと椒子の「移動」に還元され…

『ネギま!?』

原作未読の上、前作未視聴。予備知識ゼロで視聴。 これは要するに『ネギま』版『ぱにぽに』なんでしょ? どっちも見てないから知らんけど。 数えてないけど多分やたらとカット数が多い。ぽんぽん繋いで性急なテンポを生み出してます。 それと同ポの繰り返し…

いきなりいろいろと録り逃しまくってる私。 別にいいけど。

アニメ版『アニマル横町』始末

『アニ横』が最終回だという喜ばしい事実(←失言)を仄聞したので、久々に真面目に見てみた。横谷脚本で無難な出来でしたが、やっぱというか当然というか、乗り切れず。 第1,2クールは時々面白いなあと思って真面目に見ていたのですが、第3,4クールは…

10月期視聴メモ

ざっと見て、気になったタイトルをピックアップ。 ちなみに原作のある作品は全て未読です。敬称略。 『ヤマトナデシコ七変化』 10月3日(火) 25:30 テレビ東京 ワタナベシンイチ監督による別フレ原作の耽美系? とりあえず見る。 『RED GARDEN』 10月3日(火) …

『一寸法師 ちび助物語』(1935)

物理法則を無視した独特な動きの浮遊感と言葉のリズムの心地よさに酔う。 無声映画に活弁は無用だ!、などといつもなら傲慢に言ってのけてしまうところだが、音節のリズムが手伝ってか活弁に付きまとう画面のリズムと齟齬する音声のあべこべさは感じない。 …

毎週楽しみに見ていた『風人物語』が終わり、7月からの『ケモノヅメ』も見られず、また当然の如く10月からの『Kanon』も見ることが叶わないTVアニメ難民(って何か妙な語感!)たる私が昔のアニメばかりを観るのは決して後ろ向きな理由によるわけではなくて…

『TAKESHIS'』(2005)

こういう映画をグダグダ解釈するのは面倒なので一点だけ。 本作は、北野映画を殺す北野映画である。偏執狂的なファンの女が着ている服の赤・・・・・・『Dolls』踊る女形やタップダンスのリズム・・・・・・『座頭市』京野ことみの新体操を映す遠景ショット…

『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』

あっという間に全話見た。 これを傑作といわずに何と言おう。 徹底して吐かれ続ける嘘が、虚構の中のドラマが、「人間」を彩る。 本作のキャラクター達は、徹底して「嘘」を吐き続けた。アルの数々の所行、バーニィの見栄、クリスがバーニィとアルに語った連…

『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』

第1話 「戦場までは何マイル?」 Aパートが眠たすぎる。DVDをその辺にうっちゃってとっとと寝てしまおうかと思った(笑)。 しかしアイキャッチのかっちょよさに瞠目した後、Bパート初っ端のアルと父のダイアローグのシークエンスでのカットのテンポと省略…

久々に普通にアニメ作品について触れてみる。

『座頭市』(2003)

な、納得いかねぇ……(笑)。 名だたる他の北野作品を差し置いて、何故にこの作品だけが突出して興行収入がいいんでしょうか? 「『座頭市』最高だったねー」とか宣う北野初心者には『ソナチネ』や『3-4x10月』も見なさいよ!! と言いたくなる。物語における…

『じゃりんこチエ』

先日、ごちゃごちゃのVHSを整理していたら『じゃりんこチエ』が出てきて、何の気なしに眺めていたらあまりにも面白いのでこれも何かの縁かと、だらだらと高畑レトロスペクティヴを敢行中。とはいえまだ最終話まで見てないし序盤の10話分くらいは欠落している…

『十二世紀のアニメーション』

十二世紀のアニメーション―国宝絵巻物に見る映画的・アニメ的なるもの作者: 高畑勲出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 1999/03/01メディア: 大型本購入: 5人 クリック: 41回この商品を含むブログ (15件) を見るそういえば本について感想を書くのは初めてです…

『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984)

何故今の今までこの映画を観てこなかったのかが悔やまれると同時に、「今」初めて観たことによる時空を超えた映画的体験の邂逅という僥倖に、私は立ち会った。 後悔も幸運も、実のところ根は同じで、映画的体験が時空を超えること。つまり、「時をかける」こ…