北野武

『監督・ばんざい!』(2007)

体調悪くてダルかったけど遅ればせながら調子に乗って観てきた。 またしても昼間の回で客8人!! その上、上映後はみなさんロビーで大あくび! そら『座頭市』がトラウマにならあね。やっぱり「またかよ!!」という印象もあったけど、よーするにこれって北…

『TAKESHIS'』(2005)

こういう映画をグダグダ解釈するのは面倒なので一点だけ。 本作は、北野映画を殺す北野映画である。偏執狂的なファンの女が着ている服の赤・・・・・・『Dolls』踊る女形やタップダンスのリズム・・・・・・『座頭市』京野ことみの新体操を映す遠景ショット…

『座頭市』(2003)

な、納得いかねぇ……(笑)。 名だたる他の北野作品を差し置いて、何故にこの作品だけが突出して興行収入がいいんでしょうか? 「『座頭市』最高だったねー」とか宣う北野初心者には『ソナチネ』や『3-4x10月』も見なさいよ!! と言いたくなる。物語における…

『Dolls』(2002)

何とも分かりやすいモンタージュ。 何とも分かりやすいキャラクターの同位性。 何とも分かりやすい赤のイメージ。 何とも分かりやすい人形のモティーフ。 『BROTHER』を観たときも思ったが、どうもこの頃の北野武は説明過多じゃないかなあ。過多というか、北…

『みんな〜やってるか!』(1995)

う〜ん、どうも合わない。 面白いことは面白いんですけど、すごいコントを延々見せられているだけな気がしてしまって。 ダンカンが目的(といえるほど高尚なものはひとつもないが)を達しようとして、誤った手段をとり続けるという一本調子のシナリオは別に…

『BROTHER』(2001)

最初はサービスのしすぎだと思った。義理人情とは何か、義侠心とは何かを「外国人のため」に描いているのだと思った。 だが違った。これは「日本人のため」に描かれた「日本」の映画だ。 それは北野武の言語感覚に表れている。 過去のヴァイオレンス映画にお…

『ソナチネ』(1993)

あ、あかん、さすがに疲れた(注:同日映画4本目)。2,3度記憶が飛んだ(笑)。 どうも北野作品では集団生活をさせると『菊次郎の夏』になるようで。好きなんですけど。 しかしこの映画は色彩豊か。 花とフリスビーの赤の連鎖や高橋殺害時の緑と青と黒の…

『3-4x10月』(1990)

やっぱ望遠FIX止め画の連鎖による省略がないと北野映画観た気にならないな。 快作。 たった一年で驚くほど画が変化してる。スナック内でくるくる回る広角の長回しなど、演出が完全に「映画」。 前作みたいなTVドラマ臭が完全に抜けていて、しがらみから解放…

『その男、凶暴につき』(1989)

どうも北野武っぽくないと思ったら脚本が野沢尚。 初監督作品ということもあり、演出的にも試行錯誤している感じ。まだ「らしさ」が確立していないために安定感を欠いている印象。思い切りがないというか遠慮がちなカットばかりな感じが…、と思ったら編集は…

『あの夏、いちばん静かな海。』(1991)

この映画は北野作品の中で次の2つの観点から見て異質な存在。 ひとつは本編全てのカットが望遠のFIXと人物(車)フォローのみで構成されていること(多分)。 キャメラに全く演技をさせずに「映画」にしているという意味では成功だが、過度に視聴者にキャメ…

『キッズ・リターン』(1996)

何もかもが剥き出し。躍動するエネルギーが画に満ちている。 がたつく移動撮影も長回しも、フィルムに剥き出しのエネルギーを焼き付けるためだけに執られた手段に過ぎない。 ほとんど全てが回想であるというシナリオゆえ、ラストの着地点が見えてしまってい…