『監督・ばんざい!』(2007)

体調悪くてダルかったけど遅ればせながら調子に乗って観てきた。
またしても昼間の回で客8人!! その上、上映後はみなさんロビーで大あくび! そら『座頭市』がトラウマにならあね。

やっぱり「またかよ!!」という印象もあったけど、よーするにこれって北野武RE-BIRTH編? 個人的にはREVERSEでも構わないけど(笑)。

TAKESHIS'』をDEATH編として「北野武」とその映画との訣別と捉えると、本作はいわゆる「創造的破壊」を担い、その相克の先にある何かを模索したものであると見るのは些かも不自然ではない。
相変わらずたけし人形の使い方とか、あまりにも露骨というか、分かり易すぎる。「おいらには責任ないよ。おいらはピエロであって、傀儡なんだから」とでも言いたげに、その全責任を前作で殺した「北野武」という既成の権威に押しつける。

公開前はキートンの『探偵学入門』でもやる気か!? と思った短編映画『素晴らしき休日』を観たときにも思ったけど、本作は映画内映画でもドキュメンタリーでもノンフィクションでもない。フィルムは止まり、焦げ付くのだ。
「まだ始まっちゃいねえよ」という金子賢の台詞を挟み込む、ファーストショットとラストショットの相似的な縦構図が止揚する、そのクレーンの動きと和するかの如き荘厳さ!


北野武」亡き後、TAKESHIは初めて映画「への」愛を映画で綴るという「愛の形」を提示した。
破壊と再生の叙事詩を完結させた後、TAKESHIはどこへ向かうのか。長い次回予告を見せつけられた感がある(笑)。