2006-01-01から1年間の記事一覧

『タッチ』(2005)

<青春は原色だ!!> 初犬童一心。 とはいえ、プログラムピクチャー&金曜ロードショーなので、その枷は踏まえて観た。 しかし如何せん前半のリズムがガタガタ。長澤まさみの靴下シーンがアップで画面に映った瞬間、「ああもうこりゃダメだな」という寂寞感…

『ギブリーズ episode2』(2002)

なるほど。百瀬義行氏は高畑勲の衣鉢を継いだ存在なのだなあ。 ただ、志向するものは同じなのだが、違う頂を目指しているような気がしなくもない。勿論、思想的な相違ではなく。 まあ、それはともかく、作品の感想をば。といっても一点だけ。 それというのも…

ツンデレ覚え書き

唐突にツンデレについて語ってみる。 といっても、ツンデレという概念そのものや定義について語る気はないので悪しからず。ただの独り言です。 私は一般にツンデレと称されている人格的側面を嫌ってはいない。 だが、巷に溢れるツンデレキャラは総じて嫌いで…

『X 劇場版』(1996)

勿論、呪術的な陣などを用いているせいもあるだろうが、冒頭から徹底的に強調され続けるシンメトリー。 波紋、水晶、鳥居、五芒星、正四面体や円柱や球などといった結界の形、十字架など、例を挙げればキリがない。あの異様に目鼻立ちが強調された人物の顔も…

『デジモンアドベンチャー』におけるうんこの弛緩と意義

完全に遅刻してきた者としては、もう既に語り尽くされている本作に対して付け加えることなど最早何もないような気がしないでもないのだが、それでも尚、興奮させずにおかない本作の魅力に触れてしまった者としては視聴した「証」として何事かを述べたくなる…

『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』(2000)

やっと見た!! 細田デジモン第2弾。 全くもって、呆れますなコレは。この計算ずくの画面構成には、最早心地よささえ感じる。 多層的に織りなされるサスペンスやギャグ、友情や闘い、更にはメロドラマなども加えて、わずか40分足らずの中に全て凝縮してそ…

『デジモンアドベンチャー』(1999)

やっと見た!! 細田デジモン第1弾。 FIXはやっぱ画面が締まりますね。最近キャメラ振り回す映画ばっかり見ていたもんだから、T.UやT.Bさえ抑制している本作は改めて新鮮に映る。 とかいいつつもっかい見てからちゃんとした感想を書きます。

『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』(1993)

軽く度肝を抜かれました。これが岩井俊二か。 プールサイドで横になって片足だけプールに浸けている奥菜恵がエロすぎる。水面に反射する陽光と物憂げに横たわる奥菜恵の脚部が織りなすフェティシズムを超えた美しさが、文字通りの瑞々しさで迫る。胸元のアリ…

ぐはっ、シネマヴェーラで今日まで上映してた『くもとちゅうりっぷ』見に行こうと思ってたのに忘れたorz せめて明日の『桃太郎 海の神兵』だけは見に行かねば。 ということで忘れた原因たちを列挙。

『風の谷のナウシカ』(1984)

ただ、涙だけが零れる。 一般的に、愛では「地球」(=人間)を救えない。 しかし、ナウシカの愛は様々に蹂躙されながらも、風の谷を救い、その愛ゆえに命を救われる。 本作のシナリオは、人間同士の争い、力を求める業、人と自然の共生などといったものにつ…

『勝手にしやがれ』(1959)

ヌーヴェル・ヴァーグらしい軽快なキャメラの移動撮影による長回しとそれと比するかのように散見されるゴダール特有のジャンプカット、そして画面に映えるジーン・セバーグの瑞々しさとジャン=ポール・ベルモンド(=ゴダール)の絶望的な孤独!! 改めて思…

A Bout de Souffle

ここ数日間連日更新してきて、漠然と「ああ俺、今映画を「消費」している気がする」という思いが沸々と湧き上がってきていて、こりゃいかんなあという内省に近い不快感をもっていたもののどうこうすることができるわけでもないのだが、ただ昨晩は何ともなし…

『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004)

原作未読。っていうか読んでたまるか。 素人の私にさえ手に取るように次に吐くセリフが分かってしまう何とも言えない物語などには最初から期待などしておらず、行定勲3本目(正確には4本目だが『GO』は記憶にないのでノーカウント)の映画に、ただ瞳を凝らす…

『花とアリス』(2004)

初岩井俊二。 面白いんだけど長すぎる!! 序盤は切り返しなども含めてカット数が比較的多く、ズバズバとしたカット割りで素晴らしくテンポの良いリズムで進んでいったものの、ストーリー的にも後半は伏線を回収したりしているためにじっとりとした画造りに…

『メトロポリス』(2001)

鉄は熱いうちに打てということで。初りんたろう。 見ていてゾクゾクした。こんな感覚は初めて。 私なりの印象を一言で言えば、「過剰を蕩尽する作家」、それがりんたろう監督。 過剰なまでに描き込まれている「メトロポリス」という世界は蕩尽されるために存…

BSアニメ夜話『千年女優』

物語の構造と解釈について枠55分のほとんどを使って語っちゃってて「あちゃー」という感じ。私個人としては物語なんて嘘でも真実でもどっちでもいいやという感じでありのままを受け入れて見てたので、何だか些末な問題に拘ってるなあという印象。そもそも本…

『プリンス&プリンセス』(1999)

6つの「お話」は、真面目に見ていると教訓めいた説話ばかりでうんざり(笑)。 劇中劇なので解釈はそれこそ無数に可能だが単純に面白かった。ちとつまんない解釈でも垂れてみます。 まず面白いのが六角形で形作られた劇のフレームがあり、三角形で形作られ…

ヴェンダース作品について書こうと思っていたのだが後回し。

『アニマル横町』

第42話 「どき☆どき アニ横のウラ側の巻 / どき☆どき イッサの初恋!?の巻」 なるほど。劇中劇ならキャラクターの改変にも違和感はないし、(私の中で)正当化できます。それゆえAパートは普通に面白かった。竹内利光氏のホンも上手い。そうか、アニメは原…

『ピンポン』(2002)

ビビった。正直TVアニメなんて見てる場合じゃないと本気で思った。 抜群のリズムで切れまくるカットにCGも含めた驚異のキャメラワーク! 「そりゃ狙いすぎだろ」と思った冒頭の水面主観から一気に飛翔して俯瞰に変わるCGによるショットが、実はこの物語を象…

『風人物語』

まあ、何だかんだいって、この作品だけは毎週欠かさず楽しみに見ているのです。 飛び飛びですが、寸感メモ抜粋。 第4話 「どんぐりはムササビ」 繋ぎが乱暴だなあ。呑気に観てたら時間経過が分からなくなりそうになったし。 とはいえ、ムササビというモティ…

『時をかける少女』(2006)

ギリギリセーフ(笑)。 やっと観ました。地元では公開が今週金曜までという切ない告知が出ていたので。 そのうえ上映が朝イチ一回きりという酷な扱い。夏休みに早起きは辛いのか、おかげでお客さんはそんなに多くはありませんでした。 それでもお客の多くは…

『太陽の王子ホルスの大冒険』(1968)

先日近所のレンタルビデオ屋にてハケーン。漸く観た。 すごい、すごすぎる。 冒頭からラストまで圧倒されっぱなし。 圧倒的な作画枚数による東映フルアニメでアクションシーンを描いたかと思えば、FIXの止め画だけを繋いで戦闘シーンを演出したり、更に一枚の大…

『となりのトトロ』(1988)

サツキとメイが、走る、走る、走る! 真面目に観るのは子供の時以来だが、この二人、こんなに走ってたっけ? 容姿や外見ではなく、走ること、大声で叫ぶことという行為そのものが、「子供」という純粋性を表象することをこれでもかと見せつける本作。 『トト…

「ジブリ」レトロスペクティヴ第二弾

今回は録れた。

プロフィール欄にも書きましたが、

現状、映画について語る気はあまりありません。 というのも私には映画における歴史的なパースペクティヴがない。 先日北野作品について触れたのは、一応ほとんどの作品を見たことによって北野作品という限定的な範疇においてのパースペクティヴは得られたか…

『Dolls』(2002)

何とも分かりやすいモンタージュ。 何とも分かりやすいキャラクターの同位性。 何とも分かりやすい赤のイメージ。 何とも分かりやすい人形のモティーフ。 『BROTHER』を観たときも思ったが、どうもこの頃の北野武は説明過多じゃないかなあ。過多というか、北…

『みんな〜やってるか!』(1995)

う〜ん、どうも合わない。 面白いことは面白いんですけど、すごいコントを延々見せられているだけな気がしてしまって。 ダンカンが目的(といえるほど高尚なものはひとつもないが)を達しようとして、誤った手段をとり続けるという一本調子のシナリオは別に…

『BROTHER』(2001)

最初はサービスのしすぎだと思った。義理人情とは何か、義侠心とは何かを「外国人のため」に描いているのだと思った。 だが違った。これは「日本人のため」に描かれた「日本」の映画だ。 それは北野武の言語感覚に表れている。 過去のヴァイオレンス映画にお…

『ソナチネ』(1993)

あ、あかん、さすがに疲れた(注:同日映画4本目)。2,3度記憶が飛んだ(笑)。 どうも北野作品では集団生活をさせると『菊次郎の夏』になるようで。好きなんですけど。 しかしこの映画は色彩豊か。 花とフリスビーの赤の連鎖や高橋殺害時の緑と青と黒の…