A Bout de Souffle

ここ数日間連日更新してきて、漠然と「ああ俺、今映画を「消費」している気がする」という思いが沸々と湧き上がってきていて、こりゃいかんなあという内省に近い不快感をもっていたもののどうこうすることができるわけでもないのだが、ただ昨晩は何ともなしに寝付きが悪かったので『ゴダール革命』を読みながら睡魔を誘おうと四苦八苦していたものの果たして叶わず、深夜に突発的に生じるよくある類の症状なのだろうが、猛烈に映画を見たくなってきてしまい、しかたなく4,5年触れていなかったためにほこりにまみれたビデオテープの山をあさってみると何ともまあ呆れるほどの名画の数々が「発掘」され、忘却の彼方に葬り去っていた高校時代の己の振る舞いに吃驚しながらも、夜中にもかかわらず我にも非ず興奮し、下手なレンタルビデオ屋などには存在さえしていないであろうと思われるルノワールコクトーなどの名画が録画されたビデオを前にして苦笑を禁じ得なかったのだが、しかしこのビデオの山の中に邦画が一本もないことに過去の我がことながら憮然としつつも深夜に漸く探し出したるこの一本。