『花とアリス』(2004)

岩井俊二
面白いんだけど長すぎる!! 
序盤は切り返しなども含めてカット数が比較的多く、ズバズバとしたカット割りで素晴らしくテンポの良いリズムで進んでいったものの、ストーリー的にも後半は伏線を回収したりしているためにじっとりとした画造りに。これが130分強という実際の時間以上に長く感じた要因のひとつだと思う。大体、あの最初の勢いは何だったのさ?
そのくせそれぞれ鈴木杏蒼井優のクライマックスとしての見せ場では、岩井俊二の照れ隠しなのか何なのか知らないが勘弁してくれと言いたくなるほどくどいくらいのカットバックを繰り返すことによって、逆に画面の勢いを削いでしまう。そこはもうちょっと古典的で感傷的な「嘘」で飾ってくれてもいいんじゃないの? とか思いましたが、まあそこはやっぱり蒼井優が美しいので誤魔化されておくことにしようっと。
それはともかくあの『ホルス』と「アトム」は何だったの?