『ワンワンセレプー それゆけ!徹之進』

第5話 「てつのしん俳優になる」
すごい風刺。権威主義を嘲笑してる。
ヒムタクは鼻メガネが似合う男ナンバー1とかすぐ裸になることやうっとおしい芝居など冷静に考えればギャグとしか思えない権威を象徴した、虚構の価値として描かれている。そして徹之進は裸になるヒムタクに沸く人々を理解できない。
その差が意図するものは、犬社会と人間社会における文化的バックボーンの差異によるものなどではなく、権威主義に惑溺した大衆に対する批判だと思われます。その証拠に客に迎合したジョンが服を脱ぎましたが客はシラけるだけですから。
徹之進の血統書批判をしたスティーブン白沢監督だけが権威という先入観にとらわれず、「眼がいい」という謎の根拠で真の価値を求めるキャラクターとして描かれてました。そして価値を追求した映画はスポンサーの意向という、映画の価値とは無関係な理由によって製作が中止される結果に。
ギャグ作品としてはあるべき風刺性。今までよりも如実に表れてた感じです。


「施しは受けんたい! 気持ちだけもらっとく!」という徹之進のやせ我慢はかっちょいい。一家のために稼ごうと死を賭してスタントする姿もかっちょいい。九州男児っぽい(←prejudice)。でも必ず報われない(笑)。
脚本は広田光毅氏。