『風人物語』

第3話 「ランニングガール」
勝手に吹くものだった風を主体的に「吹かせる」少女達の物語。
走り抜ける温子とナオ、ミキがすれ違うシーンは、キャメラのトラックアップと風の主体性という手法と主題の一致が絶妙にマッチしていて面白かったんですが、冒頭の街の遠景からパンダウンして屋上で寝ころぶナオとミキの俯瞰に繋いでしまうところや、水が描きたかっただけとしか思えない唐突に挿入される流水のショットなど、各所につまらないカットが散見されてげんなり。
脚本的にも何とも言えない配慮を欠いた退屈さが目について、やっぱ3話目ともなると作り手側も一旦テンションを落とさざるを得ないのかなあ、などとしょんぼりしながら見てました。
何よりあんだけ時間を割いて撮った自信作というナオの写真の凡庸なことと言ったら!!
「まさかこんな写真をフォトコンテストで優勝させてしまうのではあるまいな?」
と思って見ていたら、ちゃんと伏線の婆さんでオチをつけてました。ほっ。さすがにあの凡庸さはわざとだったのね。