『怨念戦隊ルサンチマン』

やっと書きます『怨念戦隊ルサンチマン』感想。
初見時はあまりにも笑劇的で面白すぎて笑いが止まらなかった(笑)。
パロディのパロディという本作の性格上、元ネタの知識(『愛国戦隊大日本』、『エヴァ』、各種東映特撮等)が要求されるわけですが、やはり『大日本』や昔の東映特撮などを見たことのない(苦笑)私程度の知識レベルでは分かるパロディと分からないパロディが混在するので、図らずも「大反省会」は視聴上の羅針盤となりました(笑)。残念ながら予備知識抜きでは、同時代的な知識の共有がないためにネタを全部受け取るのはちと無理ですね。
正直、ルサンチゲームの「ときメモ遊び・天国と地獄」の元ネタなんて『大日本』見てない人には絶対分かりませんよ(笑)。あまりにも唐突な技(?)なので何かのパロディなのだろうということくらいは分かりますけど。
それと最初に書いておきますが、技術的なことや元ネタ暴露などは素人の私が云々するよりも「大反省会」を読んでいただいた方がいいと思いますので、殊更触れたりはしませんので悪しからず。
ということで、前置きが長くなりましたが、


第3(11)話 「びっくり!君の髪の毛も真っ茶っ茶!」

とにかくカットが切れまくりでバシバシ展開するのでオープニングから画面追えねー追えねー。全編通して言えることですが、普通に見てたら辛矢さんが指摘なさっていたイマジナリーラインとか気にする間もないです(笑)。
(文字通り)ルサンチマンが全力で駆けるオープニングから、性急過ぎやしねえかと思うくらいのカットの嵐! ガツガツ寄っては一瞬にして引き切るキャメラのダイナミズムやスポッティングのキレなども併せてリズムがすごすぎる。このオープニングだけでも、既に何回見たことか(笑)。
本編に入ってもリズムは落ちるどころか更に加速し、説明パートもそこそこにあっという間にアクションシーンへ突入。
そして圧巻の変身シーンですよ! 山本さんも自画自賛してらっしゃいますが、普通にかっちょいい!! 名乗りを上げるルサンチマンたちのピンでのポーズは編集で動きを加速させているらしく、動きがキレまくり!! この変身シーンだけでも、既に何回見たことか(笑)。
お約束の巨大化したパンピーツァラトゥストラロボの戦闘シーンでは一転してのスローモーション!! このスピード感の圧倒的な落差で、ロボやパンピーの大きさを示していて実に巧い演出になってます。ちゃちなセットなんて全然気にならない(笑)。
それとやはり画面のリズム感に圧倒されて忘れてしまいがちですが、この特撮マインド溢れる脚本がいいんですよね。プロット的に特撮のお約束をきちんと踏襲していて、特撮愛に満ちている感じがして。とか言いつつも私は特撮あまり見ないんですけど(爆)。
怨念バズーカのエネルギー充填のために怨念パワーをもったオタクをアニ○イト京都店から連れてきたり(笑)、「ツァラトゥストラロボ」という台詞をカミまくってロボをなかなか呼べないルサンチマンたちとか、随所にわざとテンポを落とすふざけたネタを散りばめたりしていて飽きさせないんですよね。本編、既に何回見たことか(笑)。
一度見始めると画面がテンポよく息つく間もなく展開するため、気付いたら全部通して見てしまうという、私にとっては一種の麻薬(笑)。しかも常習性アリ(爆笑)。
地味に神前暁さんの音楽もかっちょよくて、(特に主題歌「怨念戦隊ルサンチマン」が)脳内で無限リピートしていて困ってます。
当初は山本さんのアマチュア時代の演出(というか編集か)ばかりに目がいっていたんですが、脚本とか劇伴とか特技とか衣装とか美術とか、そういう脇(といったら失礼ですが)ががっちり固められていて、全体としてのクオリティ&愛があるからこその常習性なのだろうなあ、などと勝手ながら思ってます。
やっぱ映画を作るっていうのは集団作業なんだよなあ、とつくづく。


ところで第1(9)話「天誅!隣は何をする人ぞ」でマック(ルサンチゲーム)に「エヴリナイトノンノン、エヴリモーニングメイクラヴね」と言われ、女遊びにかまけてルサンチマンたちに成敗される男の役が山本さんなんですが、その倒される姿を見て『ハルヒ』の孤島症候群(後編)の実写パートがフラッシュバック(笑)。
やってること全然変わっとらんやんけ!!(役の立場は(多分)逆だと思うが)


それと実は野暮用で先週京都に行ってきたんですが、そのとき第2(10)話「鴨川に怨念の唄が響いた」の舞台である三条駅近くの鴨川を一人で巡礼してきたというのはナイショ。幸い(?)なことに、昼間だったので等間隔の法則を見ることはなかったんですけど(笑)。


参考
スタジオ枯山水 イベント「大反省会」
京都大学アニメーション同好会 『怨念戦隊ルサンチマン』解説ページ