ハルヒ的手法の一般化とカネに纏わる話

http://d.hatena.ne.jp/sirouto2/20060523/p3

http://d.hatena.ne.jp/sirouto2/20060529/p2

上記2記事、興味深く読ませていただきました。
ははあ、祭り型コンテンツですか。言い得て妙です。
後者の記事にあった

今回のブレイクでハルヒ的手法が一般化するかもしれない。

という一文に対しての感想。
一般化が成功裡に終わるにはハードルが高すぎると思いますね。sirouto2さんがおっしゃるように釣りと祭りは紙一重
意地悪な言い方をしますが、こんな芸当が一般的に出来る製作&制作環境なら、とっくにTVアニメは面白い作品で溢れかえっているはず。
つまり、土壌が貧弱なので無理。やらないほうがいいとおもう。ってかヤメてください、製作のエライ人。
ああいうことができるのは特殊な環境(製作の融通と制作の能力)があるからなのではないでしょうか。
具体的に言えば、(多分)角川特有のエライ人のアクティヴィティとフレキシビリティによる「融通」と、京都アニメーションというスタジオの絵コンテ演出、作画、CG処理から撮影といった一連の制作作業を一貫して自社制作できるという非常に特殊な制作状況、つまり演出の意志をダイレクトに画に伝える「能力」があるからこそ成立する「遊び」なのだと。


次はカネの話。
みたいもん』さんの「涼宮ハルヒが起こしたYouTubeの憂鬱、ネットマーケティングの大成功例。」という記事を読んでいて思ったんですが、ネットマーケティングがうまくいったことはダレにとってカネになるんでしょうか。
「ネットマーケティングの成功」という言葉の意味自体を私がきちんと諒解しているか量りかねますが、それはつまり「広告戦略がうまくいった」っていう理解でいいんですかね。というかそういう理解で話を進めます。
だとすると、原作が売れたのはアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』という「祭りコンテンツ」によるネット上の口コミに依るものだということになりますよね。でも原作が売れたからって、胴元の角川が儲かるだけで製作委員会で利益をシェアする訳じゃないですよね? 
ハルヒダンスの影響で『ハレ晴れユカイ』がどれだけ売れても主として胴元のランティスが儲けるだけですよね? 
製作委員会の中で利益がシェアされるのは主としてDVDの売上ですよね? 確証はないですが。
そう仮定すると、DVDの発売前である現状ではいくらネットマーケティングに成功したとしても、利益を大部分享受するのは製作側であって、(大部分)その成功に寄与した(と思われる)制作側はあんまり報われないという今までの製作>>>制作の利益分配構造は変わってないよなーと思ってみたり。
「祭り」のピンポイントな要素だったED曲の購買意欲が喚起されたのは理解できるんですが、「祭りコンテンツ」自体とDVDの購買意欲がどこまで結びついているのかは注目してみたいです。価格帯も大分違うし。


この話はただの憶測ですので、違うことが判明したら訂正します。


ちなみに私はDVDを買う気はありません(ぇー

参考:
http://d.hatena.ne.jp/kazenotori/20060531/1149015675