映画
6つの「お話」は、真面目に見ていると教訓めいた説話ばかりでうんざり(笑)。 劇中劇なので解釈はそれこそ無数に可能だが単純に面白かった。ちとつまんない解釈でも垂れてみます。 まず面白いのが六角形で形作られた劇のフレームがあり、三角形で形作られ…
ビビった。正直TVアニメなんて見てる場合じゃないと本気で思った。 抜群のリズムで切れまくるカットにCGも含めた驚異のキャメラワーク! 「そりゃ狙いすぎだろ」と思った冒頭の水面主観から一気に飛翔して俯瞰に変わるCGによるショットが、実はこの物語を象…
ギリギリセーフ(笑)。 やっと観ました。地元では公開が今週金曜までという切ない告知が出ていたので。 そのうえ上映が朝イチ一回きりという酷な扱い。夏休みに早起きは辛いのか、おかげでお客さんはそんなに多くはありませんでした。 それでもお客の多くは…
先日近所のレンタルビデオ屋にてハケーン。漸く観た。 すごい、すごすぎる。 冒頭からラストまで圧倒されっぱなし。 圧倒的な作画枚数による東映フルアニメでアクションシーンを描いたかと思えば、FIXの止め画だけを繋いで戦闘シーンを演出したり、更に一枚の大…
サツキとメイが、走る、走る、走る! 真面目に観るのは子供の時以来だが、この二人、こんなに走ってたっけ? 容姿や外見ではなく、走ること、大声で叫ぶことという行為そのものが、「子供」という純粋性を表象することをこれでもかと見せつける本作。 『トト…
現状、映画について語る気はあまりありません。 というのも私には映画における歴史的なパースペクティヴがない。 先日北野作品について触れたのは、一応ほとんどの作品を見たことによって北野作品という限定的な範疇においてのパースペクティヴは得られたか…
何とも分かりやすいモンタージュ。 何とも分かりやすいキャラクターの同位性。 何とも分かりやすい赤のイメージ。 何とも分かりやすい人形のモティーフ。 『BROTHER』を観たときも思ったが、どうもこの頃の北野武は説明過多じゃないかなあ。過多というか、北…
う〜ん、どうも合わない。 面白いことは面白いんですけど、すごいコントを延々見せられているだけな気がしてしまって。 ダンカンが目的(といえるほど高尚なものはひとつもないが)を達しようとして、誤った手段をとり続けるという一本調子のシナリオは別に…
最初はサービスのしすぎだと思った。義理人情とは何か、義侠心とは何かを「外国人のため」に描いているのだと思った。 だが違った。これは「日本人のため」に描かれた「日本」の映画だ。 それは北野武の言語感覚に表れている。 過去のヴァイオレンス映画にお…
あ、あかん、さすがに疲れた(注:同日映画4本目)。2,3度記憶が飛んだ(笑)。 どうも北野作品では集団生活をさせると『菊次郎の夏』になるようで。好きなんですけど。 しかしこの映画は色彩豊か。 花とフリスビーの赤の連鎖や高橋殺害時の緑と青と黒の…
やっぱ望遠FIX止め画の連鎖による省略がないと北野映画観た気にならないな。 快作。 たった一年で驚くほど画が変化してる。スナック内でくるくる回る広角の長回しなど、演出が完全に「映画」。 前作みたいなTVドラマ臭が完全に抜けていて、しがらみから解放…
どうも北野武っぽくないと思ったら脚本が野沢尚。 初監督作品ということもあり、演出的にも試行錯誤している感じ。まだ「らしさ」が確立していないために安定感を欠いている印象。思い切りがないというか遠慮がちなカットばかりな感じが…、と思ったら編集は…
この映画は北野作品の中で次の2つの観点から見て異質な存在。 ひとつは本編全てのカットが望遠のFIXと人物(車)フォローのみで構成されていること(多分)。 キャメラに全く演技をさせずに「映画」にしているという意味では成功だが、過度に視聴者にキャメ…
何もかもが剥き出し。躍動するエネルギーが画に満ちている。 がたつく移動撮影も長回しも、フィルムに剥き出しのエネルギーを焼き付けるためだけに執られた手段に過ぎない。 ほとんど全てが回想であるというシナリオゆえ、ラストの着地点が見えてしまってい…
イマジネーションの連鎖がすごい。すごすぎる。飛躍と言うよりはもはや超越的。時空の跳躍を一瞬の省略と描線の多彩さで鮮やかに描く、これぞ「アニメーション」。 ベタで恐縮ですが、「我が道を行く」で散見された、デフォルメ世界とリアル世界をカッティン…
序盤の眠たいカッティングとよくわからないカメラワークには辟易しましたが、見せ場のシーンの割り方や緊迫感の演出はさすが。盛り上がる盛り上がる。 キャメラをあれだけぶん回してこれだけ軽快なリズムを生み出すなんてことは実写ならではであって、アニメ…
ちなみにTVドラマは未視聴です。 なんとまあ荒唐無稽な設定と青臭い主題! これをクサす人は多分、上記2点から本作を論難しているのでしょう。しかし、それは本編で小泉今日子が言っていたように、「イメージによって物事を複雑にしているだけ」で、色眼鏡…